#0333|明治村建造物移築工事報告書 第六集|三重県庁舎
明治初期の県庁舎、その移築復原と変遷を記録する報告書
書誌情報
書名|明治村建造物移築工事報告書 第六集 三重県庁舎(重要文化財 旧三重県庁舎)
著者/編著|博物館 明治村 編
出版社|博物館 明治村
初版|1990年3月(平成2年3月)
版|初版
判型|A4判変形
ページ数|209頁以上(掲載図版から確認)
サイズ|215×304×18mm
重量|-
言語|日本語
ISBN-10|なし
ISBN-13|なし
定価|-
分類|Monograph
この本について
『明治村建造物移築工事報告書 第六集 三重県庁舎』は、博物館明治村に移築保存された重要文化財・旧三重県庁舎について、その沿革、建築的特徴、移築工事、調査成果を体系的にまとめた工事報告書である。
旧三重県庁舎は、明治9年の三重県成立後に新庁舎として計画され、明治11年(1878)6月に起工、翌明治12年12月に竣工した。木造二階建ての洋風建築で、左右に翼部を張り出したE字形の平面をもち、中央正面には玄関とポーチを突出させ、正面にはベランダを巡らせている。明治政府が地方官庁建築に採用した様式の特徴を伝える、明治初期の県庁舎建築として重要な遺構である。
昭和39年(1964)の新県庁舎完成に伴い旧庁舎はその役割を終え、博物館明治村への移築保存が決定された。同年に実測調査と解体が行われ、部材が明治村へ搬送された。昭和39年6月から移築工事に着手し、昭和41年(1966)11月に竣工・一般公開された。移築に際しては、後世の改変箇所について可能な限り創建当初の姿への復原が図られている。昭和43年(1968)には重要文化財に指定された。
本書は「建造物の概要」「移築工事」「調査事項」の三章を中心に構成される。建物の概説、重要文化財指定、規模、構造形式に加え、移築工事の実施工程、工事仕様、工事費、工事組織を収録。さらに、創立沿革、移築前の破損状況、移築時の変更、形式技法調査、発見物・関連資料などを詳しく記録している。
特に資料価値が高いのは、今回の再調査・実測によって作成された保存図と、各時期の史料を併せて収録している点である。移築前後の平面図、創建時の建物配置図、新築設計図、立面図、断面図、矩計図、階段・建具・暖炉などの詳細図に加え、旧所在地や明治村での配置計画の変遷も図面によって確認できる。
写真資料についても、竣工写真、昭和35〜37年頃の古写真、昭和39年の解体工事、昭和41年の移築工事、昭和53年度の部分修理工事、再調査時の現状写真などを収録しており、建物の状態と工事過程を時系列で追うことができる。
巻末には清水家旧蔵文書、三重県営繕文書、「県庁御新築精算表」などの史料も収録されている。単なる移築工事の記録にとどまらず、創建、増改築、解体、移築復原、修理、再調査という建物の履歴を、図面・写真・文書資料を横断して検証できる点に本書の大きな特徴がある。
旧三重県庁舎の建築史研究はもちろん、文化財建造物の復原根拠や部材・仕様の変遷を把握するための基礎資料として、また現況BIMを構築する際に各部位の年代や改変履歴を整理するための一次資料としても価値の高い一冊である。

引用|博物館 明治村(編)『明治村建造物移築工事報告書 第六集 三重県庁舎』博物館 明治村, 1990.
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