Category｜建築展（翻訳）
Language｜日本語/英語
Contents｜ルイス・バラガン展覧会（日本展）
Author｜フェデリカ・ザンコ
Publisher｜東京都現代美術館、ヴィトラ・デザイン美術館
Publication date｜2002/4/20-7/14
Type｜ペーパーバック（折）
Pages｜319
Size｜242×300×22
Weight｜
Price｜ME-6000-（700）-6000-20210506
若い頃の旅の途中、私は、洞窟を思わせる中世のシトー派の修道院で、迷路のような空間を歩き回った。無数の隙間から光が暗閻を貫き、今なお鮮明によみがえる記憶となって私の心に焼き付いている。光は、こうした神聖で威厳のある空間の隅々まで行きわたり、私の魂にまっすぐ届いた。厳しい光であるが、同時に置しく、人を魅惑するような光でもある。
私を育て、建築家にならしめたのは、このような領域の光、すなわち新しい時代を推し進める力となる光で、多くを含むがその数は限られている。ローマのバンテオンにおける直径43mの球の形態の純粋さ、および上方の円形の開口部から射し込む幾何学的な光の筋。現代の巨匠、ル・コルビュジエがその晩年に遺したロンシャンの教会における、包み込むような光の輝き。
それらは、光の偉大なつくり手からの贈り物であり、遺産である。そして、それぞれの時代に生まれたこのような光こそが、それに続く時代の表現者たちへ、計り知れないほど大きな影響を及ぼした。（安藤忠雄）
引用｜LUIS BARRAGAN THE QUIET REVOLUTION ルイス・バラガン 静かなる革命
