#0335|森鷗外・夏目漱石住宅及び神戸山手西洋人住居 保存修理工事報告書
明治村の二つの近代住宅、その保存修理と移築資料を記録
書誌情報
書名|国登録有形文化財(建造物) 森鷗外・夏目漱石住宅及び神戸山手西洋人住居 保存修理工事報告書
著者/編著|博物館 明治村(著作・編集)
出版社|博物館 明治村
初版|2006年3月
版|―
判型|A4判
ページ数|119頁
サイズ|210×297×8mm
重量|-
言語|日本語
ISBN-10|-
ISBN-13|-
定価|-
分類|Monograph
この本について
本書は、博物館明治村に保存されている国登録有形文化財「森鷗外・夏目漱石住宅」と「神戸山手西洋人住居」を対象に、平成16~17年度(2004~2005年度)に実施された保存修理工事を記録した報告書である。両建物では屋根瓦の破損をはじめ各部に損傷が確認され、屋根葺替・部分修理を中心とした保存修理工事が、文化庁の設計監理費国庫補助事業として実施された。
森鷗外・夏目漱石住宅は、明治20年頃に建てられたとされる木造平屋建の和風住宅で、森鷗外が明治23年(1890)から、夏目漱石が明治36年(1903)からそれぞれ居住したことで知られる。田の字型の平面を基本としながら、玄関脇の接客書斎や台所から延びる短い中廊下など、近代住宅への移行を示す特徴を備える。昭和38年(1963)に明治村へ移築された。
神戸山手西洋人住居は、明治20年代に神戸山手に建てられた木造2階建のコロニアル様式の住宅である。主屋と附属屋から構成され、正面と側面に折廻したヴェランダを設け、竪溝付角柱を配するなど、明治期の外国人住宅の特徴を伝えている。昭和45年(1970)に明治村へ移築された。
本書は「建造物の概要」「保存修理工事」「写真」「図面」「明治村移築時の資料」の五章で構成される。保存修理工事については、工事経過、工事組織、破損調査、事業費、実施工程表、実施設計仕様書などを収録し、竣工写真と工事中写真によって修理前後および施工過程を記録している。
図面編には、森鷗外・夏目漱石住宅の平面図、四面の立面図、横断面図、縦断面図、詳細図、梁伏図、天井伏図などを収録する。神戸山手西洋人住居についても、一・二階平面図、本館・附属屋の各立面図、縦横断面図、床伏・小屋伏図、天井見上図などが掲載されており、建物の構成や部材配置を把握できる実測資料となっている。
さらに特徴的なのが、第五章「明治村移築時の資料」である。森鷗外・夏目漱石住宅については、解体工事、移築工事、移築工事工程表、現状変更要旨、参考記事、斎藤家の古図、移築工事調査写真などを収録する。神戸山手西洋人住居についても、解体移築工事、工事期間・工事費、工程表、現状変更説明、調査事項、現状変更説明図、移築工事仕様書、移築工事調査写真などがまとめられている。
そのため本書は、2000年代の保存修理工事の記録にとどまらず、両建物の来歴、旧所在地での姿、解体・移築、復原、保存修理までを追跡できる資料となっている。特に実測図と移築時資料を併せて参照できることから、建築史・保存修理の研究資料としてだけでなく、既存建物のBIMモデル構築や部材・改変履歴を整理する際の基礎資料としても有用である。

引用|博物館 明治村(著作・編集)『国登録有形文化財(建造物) 森鷗外・夏目漱石住宅及び神戸山手西洋人住居 保存修理工事報告書』博物館 明治村, 2006.
