#0331|明治村建造物移築工事報告書 第四集|呉服座

#0331|明治村建造物移築工事報告書 第四集|呉服座

芝居小屋・呉服座の移築復原を詳細に記録した工事報告書


書誌情報

書名| 明治村建造物移築工事報告書 第四集 呉服座(重要文化財 旧呉服座)
著者/編著| 博物館明治村
出版社| 博物館明治村
初版| 1985年3月
版| 初版
判型| A4判変形
ページ数| 120頁以上
サイズ| 215×304×14mm
重量|
言語| 日本語
ISBN-10| なし
ISBN-13| なし
定価|
分類| Monograph|建築工事報告書・文化財保存修理資料


この本について

『明治村建造物移築工事報告書 第四集 呉服座』は、博物館明治村に移築保存された重要文化財・旧呉服座について、その沿革、建築的特徴、移築工事、調査成果、復原内容を体系的に記録した工事報告書である。1985年3月に博物館明治村によって編集・発行された。

呉服座は、明治7年(1874)に大阪府池田市本町に創設された芝居小屋を起源とし、明治25年(1892)に西本町へ移築され、座名を呉服座に改めたと伝えられる。その後、芝居や映画上映などに利用されながら増改築を重ね、昭和44年(1969)の閉座後、明治村への移築保存が決定された。実測調査と解体を経て部材が明治村へ搬入され、昭和45年(1970)10月に移築工事に着手、昭和46年(1971)3月18日に竣工・一般公開された。同年12月28日には重要文化財に指定されている。

本文は「建造物の概要」「移築工事」「調査事項」の三章で構成される。

第一章「建造物の概要」では、概説、重要文化財指定、指定説明、規模、構造形式、破損状況を収録する。建物の成立と変遷だけでなく、移築保存前の状態を把握するための基礎資料となっている。

第二章「移築工事」では、移築経過概要、工事組織、実施工程、工事仕様、工事費、移築の際の変更、移築銘文を収録する。文化財建造物の解体から再建、復原までがどのような方針と工程によって進められたのかを確認できる。

第三章「調査事項」では、創建沿革、形式技法調査、資料及び墨書を取り上げている。移築時に行われた建物調査の成果がまとめられ、各部の形式や技法、建物の変遷、復原の根拠を読み取ることができる。

挿図には、池田市内の呉服座旧所在地図、電気設備図、自動火災報知設備図、移築前一階・二階平面図、一階柱間寸法図・当初番付、矩計図、小屋伏・取替材標示図、真束小屋組に残る旧和小屋痕跡図、一階床勾配図、廻り舞台床組図、二階床伏・取替材標示図、桝席復原図、桝席痕跡図など16点を収録する。

写真資料は、竣工写真1〜25、移築前写真26〜46、解体写真47〜68、組立写真69〜96、現状変更資料写真97〜115、復原資料写真116〜133、資料写真134〜135、参考写真136〜137で構成される。移築前の姿から解体、部材調査、再組立、復原に至る過程を写真によって連続的に確認でき、文字や図面だけでは判断しにくい部材構成や施工状況を検証するための重要な記録となっている。

後半には竣工図面として、配置図、一階・二階平面図、東正面図・南側面図、西背面図・北側面図、梁行断面図、桁行断面図、基礎伏図、一階・二階床伏図、小屋伏図、一階・二階天井伏図、軸組図、展開図、建具平面図、建具表などを収録する。

さらに、基礎伏詳細図、矩計図、奈落・通路詳細図、札場・緑台詳細図、囃子部屋詳細図、太鼓櫓詳細図まで掲載されており、一般的な平面・立面・断面だけでは把握しにくい芝居小屋特有の空間構成や細部まで確認できる。

本書の大きな資料価値は、移築前の実測資料、解体・組立時の記録写真、調査によって確認された痕跡、復原資料、移築後の竣工図面が一冊にまとめられている点にある。現在の建物だけを調査しても判別することが難しい「移築前から存在する部分」「移築時に復原された部分」「移築に際して変更された部分」を検討するための基礎資料となる。

呉服座の建築史・保存修理史を研究するための一次資料であるとともに、文化財建造物の現況調査、保存修理、復原検討、BIMモデル構築などにおいて、建物の構成、部材、改変履歴を検証するために有用な工事報告書である。


引用|博物館明治村『明治村建造物移築工事報告書 第四集 呉服座』博物館明治村, 1985.

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