Category|芸術新潮
Language|日本語
Contents|特集 現代建築家 安藤忠雄 伝統との対話
Publisher|新潮社
Publication date|1993/9/1
Type|ペーパーバック
Pages|144
Size|210×284×8
Weight|
Price|ME-600-(200)-600-20210415
安藤忠雄は、この特集が企画されてから、何枚ものメモを用意していた。自身の建築プランが、飛行機や汽車のなか、あるいは食事中でさえ、思いつくままに手近な紙きれに走り書きされるところから始まるのと同じように、日本の風土や。そこから生まれてきた空間意識や美意識、そしてそれらを踏まえた上での自身の建築への考えを、推敲し、整理したメモだった。
コンクリートと鉄とガラスでつくられる安藤の現代建築は、もちろん、日本の伝統的建築とストレートに繋がるものではない。だが、大阪の長屋に育ち、京都や奈良の伝統的な名建築を身近にしてきた安藤は、そのなかで、伝統を解釈し、咀嚼し、また対決しつつ、建築に対する繊細な感性を培ってきた。
それは、日本という風土に建つ建築そのものを、まるごと考えることでもあったはずだ。ここに紹介する作品は、そうした安藤の思考の過程であり、彼が格闘してきた建築の姿形である。そして同時に、日本建築の特質というものも、ここから見えてくるのである。
引用|GEIJUTSU SHINCHO 芸術新潮 特集 安藤忠雄