#0324|帝国ホテル・ライト館の謎|天才建築家と日本人たち

#0324|帝国ホテル・ライト館の謎|天才建築家と日本人たち

ライト館誕生から解体までを人物と史実から辿る


書誌情報

書名|帝国ホテル・ライト館の謎―天才建築家と日本人たち
著者/編著|山口由美
出版社|集英社
初版|2000年9月19日
版|2004年10月22日 第2刷
判型|新書判
ページ数|206ページ
サイズ|108×173×10mm
重量|-
言語|日本語
ISBN-10|4-08-720054-X
ISBN-13|978-4-08-720054-4
定価|660円+税
分類|Monograph/建築史・ノンフィクション


この本について

本書は、フランク・ロイド・ライトが設計した旧帝国ホテル本館、通称「ライト館」を軸に、ライトと日本との関係、建設に関わった日本人たち、関東大震災をめぐる逸話、戦後の接収、そして解体と保存運動までを追ったノンフィクションである。

全7章で構成され、第一章「タリアセン」ではライトの生涯と帝国ホテル設計に至る背景、第二章「日本への憧れ」ではライトと日本建築・日本美術との出会いを取り上げる。第三章「ニューヨーク」では、帝国ホテル支配人としてライト招聘に関わった林愛作を中心に、日本とアメリカを結ぶ人的関係が描かれている。

第四章「失われた時代」では、ライトの帝国ホテル設計をめぐる経緯や下田菊太郎との関係、自由学園、アメリカ大使館案など、日本での活動を取り上げる。ライト館を単独の建築作品として扱うのではなく、ライトが日本で展開した一連の活動のなかに位置づけている点が特徴である。

第五章「耐震神話」では、1923年の関東大震災において帝国ホテルが「無傷だった」と伝えられてきた経緯を検証し、ライト館の耐震性をめぐって形成された評価や神話を取り上げている。

第六章「マッカーサーへの手紙」では、戦後の占領期における帝国ホテルや遠藤新、ライト晩年の動向などを扱う。続く第七章「ライト館保存運動」では、ライト館の取り壊し計画から保存運動、「帝国ホテルを守る会」、佐藤栄作の発言など、1960年代に展開された保存・解体論争を追っている。

巻末には年表と主要参考文献が収録されている。ライト館の意匠や図面を詳細に解説する建築作品集ではなく、ライト館をめぐる人物関係や社会的背景、建設から解体・保存までの歴史を読み解くための資料として位置づけられる。

とくに、ライト館の成立過程だけでなく、関東大震災による「耐震神話」、戦後の接収、1960年代の保存運動までを連続して扱っており、ライト館が後世にどのように評価され、そのイメージが形成されていったのかを考えるための参考資料となる。


引用|山口由美『帝国ホテル・ライト館の謎―天才建築家と日本人たち』集英社, 2000.

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