Category|写真集
Language|日本語
Contents|ル・コルビュジエ ロンシャン礼拝堂
Author|企画・撮影 二川幸夫、文 吉坂隆正
Publisher|A.D.A. EDITA Tokyo
Publication date|1971/6/25
Type|ペーパーバック
Pages|40
Size|259×364×7
Weight|
ISBN-10|-
ISBN-13|-
Price|1500-YO-16000-880-16880/7=2411-20210911
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人間は特定の観点から一面的にしか事物を考察できないものだ。どんなに広く複雑に周辺の諸条件とからみ合っている事物ないしは事実にしても,ある一点を通じてしかそれを摑まえられないのだ。それは人間が一度に一つのことしか考えられないというその能力の限界に起因する。
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ただしここに一つの救いがある。それは直感である。直感カの鋭さによって,実はその一点を捕えることを通じてそれが関係する巾広い全体像へ肉迫できるということである。喝の一声を聞いて, ぐっとさし出された親指一つを見て,宇宙の全体を感得できるのもその恩恵である。
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しかしそれも相手に伝達されなければそれまでである。ついに「世に出ず」に消えることだろう。伝えるとなれば再び一つしか考えられないという制限が浮び上って来る。しかもそれに加えるに,一挙に一瞬にして察知できるのはせいぜい片手の指の数ぐらいの要索までという条件が加わる。
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引用|GA No.7 Le Corbusier Chapelle Notre Dame du Haut, Ronchamp