#0341|重要文化財 旧呉服座保存修理工事報告書

#0341|重要文化財 旧呉服座保存修理工事報告書

芝居小屋・旧呉服座の修理と構造補強を記録した報告書


書誌情報

書名|重要文化財 旧呉服座保存修理工事報告書
著者/編著|博物館 明治村(著作・編集)
印刷/製本|明新印刷
初版|1998年2月(平成10年2月)
版|初版
判型|A4判
ページ数|本文67頁+図面
サイズ|210×297×12mm
重量|-
言語|日本語
ISBN-10|なし
ISBN-13|なし
定価|非売品
分類|Detail|ディテール/保存修理工事報告書


この本について

本書は、博物館明治村に保存される重要文化財「旧呉服座」の保存修理工事について、その経緯、実施内容、調査成果、構造補強などをまとめた工事報告書である。平成7年(1995年)12月に着手し、平成9年(1997年)7月に工事を完了、平成10年(1998年)2月に事業を完了した保存修理事業の記録として刊行された。

旧呉服座は、大阪府池田市西本町の猪名川べりに所在した芝居小屋である。明治村への移築以前は明治7年創業の戎座を移築したものと伝えられていたが、保存修理工事に伴う調査によって、建築年代が明治25年(1892年)頃であることが明らかになった。昭和44年(1969年)の閉館後、建物は明治村へ寄贈され、昭和46年(1971年)に移築保存された。昭和59年(1984年)には、江戸時代に成立した芝居小屋の形式を伝える建築として重要文化財に指定されている。

建物は木造2階建で、切妻造・妻入を基本とし、舞台、客席平場、桟敷、花道、廻り舞台、奈落など、伝統的な芝居小屋を構成する諸要素を備える。正面間口約17.9m、奥行約25.7mの規模をもち、一・二階を合わせて約500人を収容できる劇場建築である。

今回の保存修理は、明治村への移築後約25年を経て、屋根棟の垂れ下がり、雨漏り、外壁の破損、向桟敷の変形、廻り舞台の不具合などが生じたことを受けて実施された。工事では屋根の葺替えや部分修理に加え、建物の調査結果を踏まえた復原整備が行われ、移築時に瓦葺とされていた屋根は、創建当初の形式と考えられる杉皮葺へ復原された。

本書は「建造物の概要」「保存修理工事」「調査事項」「構造補強の検討」の四章から構成される。重要文化財指定の内容や構造形式、工事経過・組織・工程・仕様・工事費・現状変更をはじめ、破損状況、創建および修理・復原の経緯、関連調査、真束小屋組の合掌についての考察、耐震性能および耐震補強について収録している。

図版資料も充実しており、竣工写真、修理前・工事中写真のほか、一・二階平面図、東西南北の立面図、横断面図、縦断面図、合掌・杉皮葺屋根・樋棟・軒付などの詳細図を掲載する。さらに舞台断面や舞台小屋、土間などの構造補強図、照明電気設備図、自動火災報知設備図、消火・避雷設備図も収録されている。

昭和61年(1986年)3月に刊行された移築工事報告書の続編に位置付けられる資料であり、移築保存後の経年変化から平成期の保存修理、調査による建築年代や復原根拠の再検討、構造補強に至る過程を追跡できる点に大きな資料価値がある。旧呉服座の建築史研究だけでなく、文化財建造物の保存修理、復原、耐震補強、BIMによる既存建物情報の整理においても基礎資料となる報告書である。


引用|博物館 明治村(著作・編集)『重要文化財 旧呉服座保存修理工事報告書』博物館 明治村, 1998.

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