#0328|明治村建造物移築工事報告書 第一集|西郷従道邸・東松家住宅
西郷従道邸(重要文化財 旧西郷従道住宅)・東松家住宅(重要文化財 旧東松家住宅)
書誌情報
書名|明治村建造物移築工事報告書 第一集 西郷従道邸・東松家住宅
編著|財団法人 博物館明治村
出版社|財団法人 博物館明治村
初版|1978年3月(昭和53年3月)
版|第一集
判型|A4判変形
ページ数|150ページ
サイズ|215×304×14mm
重量|-
言語|日本語
ISBN-10|なし
ISBN-13|なし
定価|-
分類|Monograph/建築保存・移築工事報告書
この本について
『明治村建造物移築工事報告書 第一集』は、博物館明治村に移築保存された建造物について、その沿革、建築的特徴、移築・修理工事の内容を記録した工事報告書である。第一集には、重要文化財の旧西郷従道住宅と旧東松家住宅の2棟が収録されている。
博物館明治村は1965年に開村し、開村時16棟であった展示建造物は、その後の移築によって1977年には50棟に達した。本書は、それまで十分に刊行されてこなかった移築工事の記録を整理し、移築・修理の過程で得られた資料を後世に残すことを目的として1978年に刊行された。
西郷従道邸は、明治10年頃に東京・目黒の西郷邸内に建てられた木造洋風建築である。本書では、重要文化財の指定、規模、構造形式、創立沿革、破損状況に加え、工事組織、工事工程、工事仕様、防災設備、現状変更、修理銘文、工事費、内部仕上表などを収録している。移築前、解体中、施工中、完成後の写真も豊富で、基礎、床組、小屋組、軸組、壁、ベランダ、暖炉、建具、階段など、完成後には確認することが難しい構法や部材の状態まで記録されている。
東松家住宅は、明治34年に名古屋市中村区に建てられた商家建築で、名古屋地方の大工による和風建築である。西郷従道邸と同様に、建造物の概要、構造形式、創立沿革、破損状況から、移築工事の工程・仕様、防災設備、現状変更、修理内容までが整理されている。移築前、解体中、施工中の写真や各種図面も収録され、伝統的な木造商家の構法と、それを移築保存する際の具体的な工事内容を確認することができる。
図面資料も充実しており、配置図、平面図、立面図、断面図をはじめ、基礎、床組、小屋組、軸組、間仕切、補強金物、暖炉、天井、設備などに関する詳細図が収録されている。写真と図面、工事記録を対応させることで、完成した建物を見るだけでは把握できない内部構法や移築時の修理・補強、現状変更の内容を具体的に追跡できる。
洋風建築の西郷従道邸と、和風商家建築の東松家住宅という性格の異なる2棟を通して、明治村における初期の移築保存・修理技術を記録した一次資料である。単なる完成建物の記録ではなく、「建物をどのように調査し、解体し、修理し、再構築したか」を検証できる点に、本書の大きな資料価値がある。
また、現況調査やBIMモデルと本書の図面・写真・工事記録を照合することで、現在は見えない構造や納まり、移築時の改変箇所、部材の履歴などを検証することができる。文化財建築を現況形状だけでなく、創建から移築・修理を経て現在に至る時間軸を持った建築情報として記録・管理するうえでも、重要な基礎資料となる。

引用|財団法人博物館明治村(編)『明治村建造物移築工事報告書 第一集 西郷従道邸・東松家住宅』財団法人博物館明治村, 1978.
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