#0339|北里研究所本館・医学館 保存修理工事報告書
近代医学史を伝える建築の保存修理を詳細に記録
書誌情報
書名|北里研究所本館・医学館 保存修理工事報告書
著者/編著|公益財団法人 明治村(著作・編集)/学校法人 北里研究所(監修・協力)
印刷/製本|西濃印刷
初版|2012年6月
版|初版
判型|A4判
ページ数|115ページ(以降不明
サイズ|210×297×10mm
重量|-
言語|日本語
ISBN-10|なし
ISBN-13|なし
定価|非売品
分類|Detail|ディテール/保存修理工事報告書
この本について
『北里研究所本館・医学館 保存修理工事報告書』は、博物館明治村に移築・保存されている北里研究所本館・医学館について、平成21年(2009)11月1日から平成22年(2010)10月16日に実施された保存修理工事を記録した報告書である。2012年6月に公益財団法人明治村によって刊行された。
北里研究所本館は、日本の細菌学の先駆者である北里柴三郎によって、大正4年(1915)11月、東京市芝区白金三光町に研究所として建設された。設計者は明らかになっていないが、アール・デコやセセッションなど当時の建築様式を想起させる意匠を備え、階段状の破風、装飾塔、ドーマー窓などに特徴がみられる。また、北里が留学したドイツの研究施設との関連についても考察されている。
建物は昭和54年(1979)に解体され、翌昭和55年(1980)に博物館明治村へ移築・復原された。敷地条件により創建時の西側翼部を欠いた状態で移築されたものの、屋根や外壁などは創建時の姿に復原され、軸組には筋違や鉄骨梁などによる補強が施された。平成15年(2003)12月1日には「明治村北里研究所本館」として文化財登録原簿に登録されている。
本書は、移築復原から約30年を経て実施された初めての大規模修理工事を対象としている。第1章「建造物の概要」では、建物の沿革、文化財登録、規模、構造形式などを整理し、第2章「平成21年度保存修理工事の概要」では、工事の経緯、修理履歴、工事組織、工事費、破損状況と施工内容を詳細に記録している。
修理内容は、基礎廻り、外壁木部、土台・付柱・窓台・軒胴などの外部木部、外部左官下地、漆喰壁、モルタル掻落壁、樋、外部建具、硝子、屋根野地板、屋根、屋根廻り板金、中央塔屋、車寄、外部塗装、避雷針、内部床・建具・壁・天井・木部塗装など、建物を構成する各部位ごとに整理されている。
さらに、修理工事中および竣工直後に撮影された写真に加え、移築時や解体調査時に作成された保存図面の一部も収録されており、創建、解体、移築復原、保存修理という建物の変遷を追跡できる資料となっている。
北里研究所本館は、近代日本における本格的な私立伝染病研究施設として、医学史上の価値と建築史上の価値を併せ持つ。本書はその建築的特徴だけでなく、各部の破損状況、修理方法、材料、施工内容を具体的に確認できることから、近代建築の保存修理を研究するための一次資料として高い資料価値を有する。また、部位単位の修理履歴や材料情報を整理している点で、文化財建築のBIM化や維持管理情報の構築においても有用な基礎資料となる。

引用|公益財団法人明治村(著作・編集)『北里研究所本館・医学館 保存修理工事報告書』公益財団法人明治村, 2012.
