Category|展覧会図録
Language|日本語
Contents|ル・コルビュジエの作品展
Author|安田火災東郷青児美術館
Publisher|日本建築学会ル・コルビュジエ展実行委員会
Publication date|1989/12/15
Type|ペーパーカバー
Pages|
Size|262×259×8
Weight|
Price|YO-800-680-1480-20210902
ル・コルビュジエがフランスのキャップ・マルタンの海で心臓発作で死亡してからすでに24 年が経過した。ル・コルビュジエの直接の弟子であった前川国男、坂倉準三、吉阪隆正の3人も故人となった。ル・コルビュジエほど世界に大きな影響を与えた建築家はいない。そして日本の建築家の彼への傾倒ぶりは特筆すべきものであった。
しかしこれらの影響は形態の造形性という、きわめて表層にとどまっており、ル・コルビュジエの近代建築に果した役割と意味について十分な論議が尽されることはなかったのはきわめて日本的な現象であった。丹下健三の広島平和会館陳列館・本館、旧草月会館、前川国男の晴海の高層アパートなど、造形上の影響には枚挙のいとまがない。
ル・コルビュジエは既成の学会、建築界、特にフランス国内から批判、攻撃を受けるマイノリティの立場にいた。しかし、彼は近代建築運動の母体であるCIAMのリーダーであり、最後までその中枢の位置を保ち続けていた。それは何故だろうか。(黒川紀章)
引用|Le Corbusier ル・コルビュジエ展