Category|写真集
Language|日本語
Contents|フランク・ロイド・ライト 帝国ホテル
Author|写真=渡辺義雄/文=内藤多仲・明石信道/山本学治
Publisher|鹿島研究所出版会
Publication date|1968/12/15
Type|ハードカバー
Pages|102
Size|261×239×16
Weight|
ISBN-10|
ISBN-13|
Price|2500-20500-444-20944-20210629

帝国ホテルはライトー流の設計でもあり,彼の自負する耐震構造でもあるというのでわれわれも興味深く感ずるのである。時は大正10 年前後である。私はホテルの設計図を見た時,あゝこれはいつか見たアメリカのジェオグラフィックマガジンに載っていた蒙古だか,ラマ教だかの壁式建築に良く似ているなと思ったことがある。

東洋風に面白い設計だと思ったがその虎の巻を探究するまでのことはしなかった。工事中,現場を見たことがなかったが聞くところ基礎は木杭(およそ1.5 メートル)を土中に打込みこれを抜いてコンクリートを注ぎ込んだものであるということ(事実その通り)また上部構造は大谷石と中空煉瓦で積んだ壁で中にコンクリー卜注入しまたところどころに鉄筋コンクリートの柱があり,床は鉄筋コンクリートの一枚版で壁より外に突出させカンチレバーとしてあることなど,外観からも想像できたのであった。

完成間もなく大正12 年の関東大地震,幸い著しい被害はなさそうに見えた。当時われわれはあらゆる建築について被害調査をしたがその時著しかった被害はあの孔雀の間の中央塔屋の部分がおよそ60センチも沈下したことであった。

引用|IMPERIAL HOTEL 1921-67 フランク・ロイド・ライト<帝国ホテル>