Category|建築展図録
Language|日本語
Contents|世界遺産への歩み 20世紀モダニズム建築の巨匠
Author|
Publisher|アーキメディア
Publication date|2008
Type|ペーパーバック
Pages|127
Size|186×256×9
Weight|
ISBN-10|-
ISBN-13|-
Price|ME-666-0-666-20210419
遺産として近代建築を捉える見方は、すでにそれほど新しいものではない。近代建築に限らず、建築物を「遺産」と見なすことは、逆説的に建築物が環境的あるいは社会的要因によって変化を被ることを物語っている。「遺産」とは建築物の永続性、本物性を保証する制度であり、それを犯す要因に対する危機意識の反映である。
近代建築の場合、遺産化は素材の劣化、設備機器の更新、あるいは消費社会の構造に起因する様々な問題を抱えることになるが、作家性の高さゆえに、「巨匠」としての建築家を神話化することにもなる。
建築家による建築作品の意匠とそれに込められた思想のもつ歴史的価値が何よりも尊重されなければならないが、建築を構想した当時の社会的なコンテクストや空間に織り込まれた記憶は、多かれ少なかれ捨象せざるを得ない。遺産化は近代建築史の展示場と化する可能性を孕んでいる。(千代章一郎)
引用|Le Corbusier et le patrimoine de la Lumiere ル・コルビュジエ 光の遺産